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AlexandriteOSを使用する際に知っていただきたい点

今回はAlexandriteOSの開発者である私がAlexandriteOSを使用する際に注意していただきたい点をいくつか紹介します。難しいことではないのでご安心ください。 ・定期的にアップデートをお願いします アップデートを行うことでリリース後に見つかった不具合の修正や安定性の向上、追加の新機能が得られます。またセキュリティの観点からもアップデートは非常に重要です。ターミナルから `sudo zypper refresh && sudo zypper dup` と実行することでシステムのアップデートが可能です。また3.00の後期バージョン(マイナーアップデート後のバージョン)以降であればデスクトップのメニューのシステムツールという項目にある「システムアップデート」というエントリーから簡単にシステムとユーザーアプリケーションのアップデートを行えます。 ・アプリはFlatpakから入れることをオススメします openSUSEはパッケージの使用が特殊で言語パッケージを別途インストールしなければ日本語で表示できなかったりすることが多々あります。 Flatpakでインストール、実行されるアプリケーションはコンテナ化されているためこのような問題は起こらず、さらに依存関係で環境を汚す心配もありません。特殊なこだわりがない限りは、セキュリティの観点からもサンドボックス化されているFlatpakの使用を推奨します。 ・root権限は安易に使わないでください これは全てのディストリビューションに言えますがroot権限は非常に強力な権限です。信頼できないプログラムやスクリプトがroot権限を要求した場合、それを無視することを強く推奨します。 ・nvidia社製のGPUの使用は非推奨であり、サポートされません 詳細は ここ をご覧ください。 だいたいこんな感じです。何か質問等あればコメントまでどうぞ。

May 8, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOS 3.10リリースノート

AlexandriteOS 3.10では様々な改善が行われています。 3.00からのアップデートでは適用されない変更 ・FirefoxをFlatpak経由でインストールするように変更 これはFirefoxがアップデート時英語表記に勝手に変更されることがある不具合への対応とセキュリティ強化が理由です。Flatpakソフトウェアはサンドボックス環境で実行されるため万一ブラウザに脆弱性があってもシステムへの被害を抑えられます。もちろん従来どおりzypper経由でfirefoxをインストールすることも可能です。 ・onlyofficeの削除 イメージファイルのサイズの肥大化の原因となること、また公式Officeとの互換性が低い点から削除されました。 ・ノートアプリと天気アプリと二段階認証アプリの追加、時計アプリの削除 ユースケースが少ないgnome-clocksが削除され新たに実用的なnotejotとgnome-weather、Authenticatorが追加されました。 3.00のユーザーにも配布される変更 ・拡張機能のアップデート 複数の拡張機能のアップストリームの更新を反映し、安定性を向上させました。 ・3.00の不具合修正 3.00に存在した複数の不具合を修正しました。ただしまだ調査中で直しきれていない不具合もあります。これらに関しては原因が分かり次第アップデートで修正されます。

May 8, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOS 3.00 開発記 Gnome編

AlexandriteOS 3.00開発記の第二弾です。 AlexandriteOSにはGnomeデスクトップが採用されています。安定性や統一感の点で優れているDEでKDEと同じく歴史あるデスクトップです。 2.00での最大の問題の一つは拡張機能でした。デフォルトのGnomeデスクトップはかなりクセが強く正直に言って使いにくいのでAlexandriteOSでは幾つかのGnome拡張機能に多少の変更を加えたものをプリインストールし標準で適用しています。 しかし本来拡張機能はGnomeやopenSUSEから見ればあくまでもハックであり正式なものではありません。これを安定してデスクトップとして提供するためにAlexandriteOS 3.00では追加の工夫をしています。 AlexandriteOSの開発者は、Gnome拡張機能がたまに起動時に無効になることがあるという不具合にかなりの間悩まされ続けていました。 AlexandriteOS 3.00ではログイン毎にGnome拡張機能を有効にするというコマンドを実行することでこれを可能な限り回避しています。なんとも原始的に聞こえますがコマンド実行の負荷は少なく確実な解決策です。 これで安心していましたがGnome42がリリースされ新たな機能が実装されました。それは拡張機能が一つでもクラッシュすると次の再開時に全ての拡張機能が無効になるという機能です。 https://github.com/home-sweet-gnome/dash-to-panel/issues/1581#issuecomment-1088263998 安定性の観点からは素晴らしい実装ですが拡張機能に依存しているユーザーからすれば迷惑でもあります。幸い、先程の回避策はこれもバイパスしてくれます。 一見全てが収まったように見えますが、大問題が発生することに気づきました。これを適用したことでログインループが発生する可能性が高いことです。具体的にはユーザーがシェルをクラッシュさせる不具合を持った拡張機能をインストールした場合、次のようなことが起こります。 不具合を持った、もしくはAlexandriteOSでプリインストールされている拡張機能と競合する拡張機能をインストールします。 有効にした途端、シェルがクラッシュしたと仮定します。(これは普通発生しないように見えますが、競合する拡張機能をインストールした場合、もしくはgnome自体にバグがある場合に発生しやすいことです) シェルが異常終了し、ログイン画面に戻されます。 ユーザーが再度ログインすると、gnome-shellは拡張機能を無効にして再開しようとします。 しかし先程適用した回避策が拡張機能を有効にしてしまいます。 再び途端にシェルがクラッシュします このループに陥った場合、残念ながらGUIのみでシステムを回復することは不可能です。上級ユーザーであればコマンドラインモードからdconfの設定値を書き換え修復できますが、これにはそれなりの技術が必要ですし正直に言って面倒です。 さらに悪いことにこれはセキュリティ上の欠陥でもあります。だれでも有効化した途端にシェルをクラッシュさせる拡張機能をインストールさせれば自動的にGUIを利用不可能な状態にすることができるからです。 拡張機能をインストールする際、ブラウザからインストールすれば確認ダイアログが出ますがそれ以外の場合は出ません。裏でファイルをコピーしコマンドを一つ実行するだけで拡張機能は通知なしに有効になります。 さらに Gnomeの拡張機能では驚くべきことに署名どころかハッシュでのチャックですらされません。 つまり既にインストールされた拡張機能の中身を差し替えるだけでこの攻撃が成り立ちます。(正直に言って、かなりの権限を持つデスクトップの拡張機能に対してこの甘さは改善すべきというかあり得ないと思っています。) gnome-extensionをプリインストールソフトから消すことになった理由は実はこの2つです。消したと言ってもコマンド一つでインストールできることには変わりません。 そもそも言ってしまうと拡張機能を標準で使用しているディストリビューションは多くても、gnome-extensionをプリインストールしているディストリビューションは少ないのでなんとも言えませんが標準状態でのカスタマイズ性が大きく低下する変更であることには変わりないのでそれなりに悩みました。 しかしログインループは致命的な問題ですしセキュリティ上のリスクも大きくなります。あくまでも拡張機能は非公式の機能でありリスクを伴い自己責任であるということを強調するという意味も含めて廃止しました。 もちろん、安定した信頼できる拡張機能はユーザーに大きな利益をもたらします。しかしくれぐれもコマンドラインから修復できる自信がない限り、無闇に競合する拡張機能や不安定な拡張機能をインストールしないようにしてください。

April 7, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOS 3.00リリースノート

このリリースには延べ4ヶ月近くに及ぶ作業の成果が組み込まれています。3.00はセキュリティ、パフォーマンス、UI、使い勝手、信頼性などあらゆる点で2.00よりも優れており飛躍的に進化しています。 セキュリティの強化 ・カーネルロックダウンが標準で有効化されています。 ・Yama LSMが新たに標準で有効化されています。 パフォーマンスの向上 ・Gnome42の新機能により基幹部分での処理が改善されました。 ・ブートプロセスが見直され、起動が高速になりました。 ・CPUのマイクロコード(AMD・Intel共に)が追加され、パフォーマンスが改善されました。 ・動画再生時にハードウエアアクセラレータを使用するようになりました。 信頼性の向上 ・PackageKitは標準で無効化されました。PackageKitはユーザーの操作を妨害し時々システムを破壊します。 ・zypperの「パターン」機能を利用してパッケージをプリインストールするのを廃止しました。これによりアップデートで消したはずのプリインストールソフトが復活したり、余計なパッケージがインストールされることが防止されます。 ・GRUBエントリーからリカバリーモードを利用できるようになりました。systemdのレスキューモードで起動します。 ・Btrfsが標準のFSになり、システムのロールバックが可能になりました。 デザインの改善 ・libadwaira風のGtk3テーマを標準にし、非libadwaitaソフトウェアとlibadwaitaソフトウェアの見た目の差を軽減しました。 ・GRUBのテーマと起動画面が進化しました。 ・ロゴが @kr-tukimi さんが作成したエレガントなロゴに変更されました。 ・デスクトップ、ラップトップ、タブレットなどあらゆるデバイスで使いやすいデスクトップへと進化しました。 デスクトップユーザー向けに画面左上には伝統的なスタートメニューが配置されています。 タッチパネルやマウスパッドのジェスチャー(デスクトップの何もない部分を3本の指で下にスクロール)を使うと全画面のアプリ一覧が出てきます。 キーボード派の人間のためにsuperキーからのアプリ検索も使用できます。(スーパーキーを押すとGnome3のアクティビティ画面に移行します。そこで任意のキーをタイプして検索を開始できます。) ・Plymouth表示前に表示されていた余計なメッセージが消され、スッキリとした起動画面になりました。 Gnome42の変更への追従 ・ gedit と gnome-terminal はそれぞれ gnome-text-editor と console に置き換えられました。 ・libadwaitaの導入に伴い、gnome-tweaksを削除しました。後からインストールすることも可能ですが、テーマはレガシーアプリケーションにしか適用されません。これはlibadwaitaソフトウェアとそうでないソフトウェアの見た目に乖離が生じることを意味します。 その他変更 ・ gnome-extensions が削除されました。これはプリインストールされている拡張機能がユーザーがインストールする拡張機能の動作に影響を及ぼし、結果としてグラフィカルシェルが不安定になる可能性があることが理由です。(最悪の場合gnome-shellがクラッシュします) もちろん必要なパッケージをユーザーがインストールすれば拡張機能を追加することも可能です。が動作の保証はできません。 なおセキュリティと使いやすさの観点から、拡張機能を任意に追加したい場合はブラウザのアドオンからではなく以下のソフトを使用することを推奨しています。 https://flathub.org/apps/details/com.mattjakeman.ExtensionManager ・ビルドシステムとインフラの改善により大半の独自ファイルがパッケージ化されたため、積極的なアップデート配布が行えるようになりました。 ・デフォルトのシェルがfishになりました。強力な補完機能が使えます。 既知の不具合 AlexandriteOS 3.00に採用されているGnome42は従来のバージョンと比べかなり大規模な変更が行われています。これが原因となる不具合が多少残っています。アップデートで改善される予定です。 ・ファイルマネージャーのパスのバーを右クリックして「新しいウィンドウで開く」を選択するとファイルマネージャーがクラッシュします。上流に報告済みです。 https://gitlab.gnome.org/GNOME/nautilus/-/issues/2208 ・ファイルマネージャーでsambaサーバーにアクセスした際、パスワードを誤っているとセグメンテーション違反でファイルマネージャーがクラッシュします。既に報告済みのようです。 https://gitlab.gnome.org/GNOME/nautilus/-/issues/2184 ・設定画面の「共有」タブを開くとセグメンテーション違反で設定画面がクラッシュします。gnome-control-centerの仕様上では再開時に前回開いていたページと同じページを開こうとするため、以降セグメンテーション違反で設定画面が開けなくなりますが。デスクトップを右クリックして「ディスプレイの設定」を2回開こうとすることで回復できます。これはgnome-control-centerの不具合で、現在修正パッチが上流で準備されています。 https://gitlab.gnome.org/GNOME/gnome-control-center/-/issues/1727 https://gitlab.gnome.org/GNOME/gnome-control-center/-/merge_requests/1270 ・環境によって、インストール時にディスクのパーティション作成に失敗する場合があります。数回試しても駄目な場合、Gpartedとインストーラーで適切なパーティションを手動で作成、選択することで回避できます。 またプログレスバー下の表示(コピーされたファイル数 / 総ファイル数)の総ファイル数が処理が進むのに連動して後から伸びるというクレイジーな不具合があります。これは特に動作に影響を及ぼすことはありません。どちらもcalamaresの不具合ですので、こちらで修正することはかなり難しいです。 不具合ではない仕様 ・ AlexandriteOSでホームディレクトリ下のディレクトリ名が英語なのは仕様です。 これは日本語がパスに含まれていると一部のアプリケーションが正常に作動しないこと、ターミナルでの操作がしにくくなることが理由です。ただし副作用として、ファイルマネージャーのサイドバーが英語になっています。アイコンがある上に簡単な英語なので操作の支障にはならないと判断していますが、このままだと気分がよろしくないので今後なにか対策をする予定です。 ・VirtualBoxなどの仮想化ソフトウェアを使用している場合、画面が正常に描画されません。 これはVirtualBoxなどの一部の仮想化ソフトウェアが標準で非常に低い解像度をデフォルトで強制すること、及びグラフィカルシェルがソフトウェアレンダリングになることが主な理由です。画面が小さすぎる場合、 デスクトップ右クリック→ディスプレイ設定 から解像度を変更できます。 これに関しては私や上流に不具合として報告されてもどうすることもできないので仮想化ソフトウェアのベンダーに問い合わせてください。 ・インストール時に表示されるスライドがぼやけている ...

April 4, 2022 · 1 min · nexryai
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Linuxデスクトップの背後で何が行われているのか

前回はsystemdに関して色々まとめた何かを書きましたが今回はLinuxデスクトップでのグラフィック周りについてのお話です。これに関しては日本語の情報がほとんどなく間違ってる部分もあるかもしれません。その際は遠慮なく指摘してください。 Linuxデスクトップといっても沢山あるので、今回はAlexandriteOSやFedoraなどで標準のWayland利用のデスクトップの場合について解説します。 ここで一つ理解して置かなければならないのはWaylandはあくまでもただのプロトコルとライブラリであって、従来のXserverのようなものではないということです。要はWaylandはあくまでルールに過ぎないということです。(厳密には違いますがややこしくなるのでこの解釈でここでは問題ありません) いきなり分かりにくい図が出てきましたが、これがAlexandriteOSやFedoraのグラフィックの仕組みの基本的な部分です。一つ一つ見ていきましょう。 この図において一番目につくのはWaylandコンポジターという部分です。このWayland CompositorはDEによって異なります。Gnomeの場合はmutter、KDEの場合はKwinがコンポジターです。 このコンポジターこそがグラフィックの中枢システムです。 ① マウスが動かされたなどのイベントが発生すると、カーネルからwaylandコンポジターに伝わります。 ② コンポジターはイベントを受け取ると、どのウィンドウがそのイベントを受け取るべきかを判断し、適切なクライアントに送信します。 ③ クライアントはコンポジターからの通知を受け取ると、EGLとMesa 3Dを使用してレンダリングを行い、更新された領域を示すリクエストをコンポジターに送ります。レンダリングはlibDRMを通してフレームバッファに行われます。 ④ コンポジターはレンダリングが行われたことを受信すると、先程レンダリングされたフレームバッファ内のコンテンツをテクスチャとして利用し変更された領域を合成します。KMSを通じて画面を再描画し、最終的にディスプレイの内容が更新されます。 しかしこれだけで全てが成り立っている訳ではありません。 グラフィックシステムの最終的な全体像はこうなります。 ・XwaylandとはX11のみに対応しているレガシーアプリケーション(図中のX11-Client)を実行するための仕組みです。この図の通り、Wayland上でXorgを実行することで互換性を維持しています。 ・ゲームなどの高パフォーマンスを要求するソフト(図中の “3D Gmae Engine”)はVulkanやOpenGLなどのAPIを利用してグラフィックメモリバッファに直接レンダリングします。クライアントとコンポジターはバンドラーを利用してこのグラフィックメモリバッファにアクセスします。この手順では間に余計なデータのコピーを挟まないため高速に描画できます。さらにコンポジターは、APIクライアントと同じハードウェアアクセラレーションAPIを使用することで、ディスプレイに表示する最終的な合成をさらに最適化することができます。 LinuxデスクトップはWindowsなどと比べて遅れていますがWaylandやPipewireの導入などで状況が変わりつつあります。AMDの躍進でグラフィックドライバーも整備されつつありますし、Steam Deckの登場でLinuxゲーミングという分野も復活しつつあります。Gnome42でもグラフィック周りの改善が入っていますし、KDEも本格的にWaylandに対応しています。今後の動向を注視する必要がありそうです。

March 29, 2022 · 1 min · nexryai
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systemdとは何をしているものなのか

Linuxを触った方なら一度は「systemd」という名前を聞いたことがあるかもしれません。今日はこいつが何者なのかを紹介しようと思います。 systemdは一言で言えば複雑なシステム(巨大な航空機)を操縦するパイロットのようなものです。 現在のほとんどのディストリビューションは、アンチsystemdを掲げるなどの思想が偏ったディストリビューションでない限りsystemdが標準です。 systemdはRedHatのエンジニアによって開発されました。PluseAudioと同じ開発者であり、この方は後にFlatpakの基礎となる考えを考案した人でもあります。 systemdはカーネルが起動してからシステムを利用可能な状態にするのが主な役割です。ブートローダーがカーネルを読み込み、カーネルの起動が完了するとカーネルは /sbin/init をPID1として実行します。systemdを使用する環境だとこれはsystemdの実行ファイルへのシンボリックリンクとなっているので、systemdがPID1として起動します。 さてここからがsystemdの出番です。カーネルのみが起動している状態ではグラフィカルシェルはもちろん、CLIですら使用できず最低限の機能しか起動していない状態です。 ここでsystemdは必要なサービスやプロセスを次々と起動させシステムを利用可能な状態にします。航空機で例えるのであれば離陸し水平に飛行できるようになるまでの段階です。 ここからがやや複雑な部分です。systemdはユニットと呼ばれる設定ファイルを元にシステムを構成し起動させます。 ユニットには、サービスの起動に関する設定やパーティションのマウントに関する設定などの複数の種類があります。 ここで実際にどんなユニットがあるのかお手元の環境で見てみましょう。 systemctl list-unit-files を適当な環境で実行してみてください。 ここではいくつかのメジャーなユニットの種類を紹介します。 .mount パーティションのマウントに関する設定。一部は /etc/fstab を元に自動生成される。 .path パスの変更を監視する設定。パスのディレクトリやファイルの内容が変わったら実行するコマンドを定義する。 .service プロセス(デーモン)の起動に関する設定 .serviceのユニットファイルには ・そのサービスが何か別のサービスに依存しているのか、どのサービスが起動した段階でそのプロセスを起動させるべきなのか ・そのプロセスを起動させる際に実行するコマンド ・プロセスが異常終了した際にどうするか などが記述されています。 .target ユニットの集まり。複数のユニットをグループ分けにする。詳細は後述 完全なリストは以下のリンクから見れます。 https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_enterprise_linux/7/html/system_administrators_guide/chap-managing_services_with_systemd#tabl-Managing_Services_with_systemd-Introduction-Units-Types この際に役立つのが.targetユニットです。 例えばLiunxディストリビューションを起動させるといっても最終的にグラフィカルシェルを起動させるのか、あるいはコマンドラインモードで起動させサーバーとして使うのかなど様々です。 どのモードで起動させるかを設定するのに.targetは役立ちます。 systemdは /etc/systemd/system/default.target の内容が最終的に起動することを目標に ユニットの設定を解析し起動順序を設定し、それに沿って各サービスを起動させたりファイルシステムをマウントしたりします。 このdefault.targetはデスクトップ環境ではgraphical.targetへのシンボリックリンクになっています。 そしてサーバーなどの環境ではmulti-user.targetへのシンボリックリンクとなっています 他にもpoweroff.target(電源オフ)やrescue.target(レスキューモード)、reboot.target(再起動)など様々なターゲットがあります。 勘が良い方なら気づくかもしれませんがpoweroff.targetはシャットダウン時に、reboot.targetは再起動時に利用されます。忘れられがちですが、システムをシャットダウンするときにもsystemdは仕事をします。サービスやプロセスを順次安全に終了させるのが役割です。航空機で言えば着陸です。 いざ起動やシャットダウンをしたからといって安心できるわけではありません。何らかのプロセスが異常終了し、システムの一部の機能が利用できなくなることがあります。このような際にsystemdは停止したデーモンを再起動しシステムの修復を試みます。(ただしサービスの設定ファイルに異常終了時再起動するという設定がない場合は何もしませんが、重要なサービスの設定ファイルに大体再起動するよう書かれています) 大抵の場合、これで自体は収束します。航空機の例えで言うのであれば飛行中に何らかのアクシデントが発生し、それにパイロット(ここではsystemd)が対応するようなものです。 ここまで見てきたとおり、systemdはLinuxシステムにおいて極めて重要なプログラムであると言えます。それと同時に複雑なシステムの全体像を設定しやすくしてくれています。 systemdが最初から全ての人に歓迎されていたわけではありません。UNIX哲学に反しているなどでGnome3論争と合わさり一時期コミュニティが大荒れ状態になったこともあるそうです。ですがsystemdが現在標準であり、Linuxディストリビューションをより扱いやすいものにしてくれたという事実は変わりません。 普段何気なく使っているディストリビューションでも、こうして掘り下げてみると面白い発見がありました。systemdは現在も進化を続けており、今度時間があったらsystemd-bootやsystemd-homedも試してみたいなと個人的には考えています。 最後まで読んでいただきありがとうございました。

March 28, 2022 · 1 min · nexryai
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libadwaitaに対するAlexandriteOSの考え

注意: この考えはあくまでAlexandriteOSの開発者の考えであり、Ablazeを代表するものでは一切ありません Gnome42で本格的にlibadwaitaの導入が進むようです。libadwaitaはUIの一貫性を高めモバイルデバイスなどへの対応を促進しますが、代償として今までのテーマ機能は使えなくなります。一部のディストリビューション開発者はこれに対し反感を抱いているようです。 しかしAlexandriteOSとしてはlibadwaitaの導入には賛成です。 テーマ機能は長らくソフトウェアの開発者から嫌われていました。こんなサイトも作られるくらいです。 https://stopthemingmy.app/ この主張は確かに道理が通っていて、実際にGtkテーマやQtテーマを適用することでソフトウェアの見た目が崩れたり、アイコンの意味が分かりづらくなることはよくあります。昔のWIndowsXPのようなUIであればテーマを適用しても見た目が崩れることは少ないでしょうが、近年のエレガントなUIだとそうも行きません。 時代は常に変化していて、あらゆる技術にはそれに合わせて変わらなければならないときが必ずいつか来ます。今まさにLinuxデスクトップがその変化の時期であると私は考えています。 AlexandriteOS 3.00ではlibadwaitaでデザインされたソフトとそうでないソフトの見た目に差が出ないよう、非libadwaitaソフト向けにlibadwaita風のテーマを適用することで見た目の統一感を維持する予定です。AlexandriteOSは今後もGnomeの先進的なテクノロジーを使用してユーザーに優れたデスクトップ体験を提供できるよう改善を続けていきます。

March 12, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOS 3.00のロードマップ

皆さんこんにちは。AlexandriteOS開発者のnexryaiです。 AlexandriteOSの次期バージョンである3.00のおおまかな仕様とロードマップが決まったのでお伝えします。なおこれはあくまで2月11日時点での計画ですので変わる場合もあります。 予定している変更 ・デスクトップ周りの大幅な変更 Gnome42が2022年3月にリリースされる予定です。このGnome42にはかなり大きい変更が入っているのでそれに追従する形です。 まずGnomeコアアプリケーションでのlibadwaitaの導入に合わせAlexandriteOSでは非libadwaitaソフトウェアもlibadwaitaのような見た目で動く変更を導入します。具体的にはlibadwaita風のgtkテーマを採用します。 またUIの一貫性を保つためシェルテーマやアイコンテーマもこれに合う雰囲気のものへ変更します。 今バージョンからMac OS風のUIになります。Gnomeの優れた検索機能と便利な拡張機能を用いてゲームを操作するような感覚で操作できるデスクトップを目指しました。 ・ロールバック機能の実装 デフォルトのFSをbtrfsに変更します。この変更によりシステムをスナップショットを生成した時点に完全に復元できるようになります。もちろん復元しないファイルを個別に選択することも可能です。これはアップデートや設定ミスなどでシステムを破壊した際のリカバリーに非常に役立ちます。 ・ロゴの変更 AlexandriteOSのロゴが新しくなりました。kr-tukimi氏が作ってくれました。非常にモダンで清潔感があるロゴになりました。本当にありがとうございます。 ・GUIターミナルのデフォルトのシェルがfishに GUIターミナル(Gnome terminal)のデフォルトのシェルがbashからfishになりました。優れた補完機能とシンタックスハイライトをデフォルトでお使いいただけます。ログインシェルはbashのままなので互換性周りでトラブルが発生する心配もありません。 ロードマップ 中の人の個人的な事情もありリリースはまだ先になりそうです。 まずGnome42と拡張機能の互換性についてです。3月初旬にGnome42のおおまかな仕様が確定しRC版が出るのでそのバージョンのGnomeで拡張機能の互換性をテストします。そこで問題が発生したら本家にはまだ未適用のパッチを当てるなり上流にPRを出すなりしてGnome42で動作するようにします。 またAlexandriteOS 3.00では独自パッケージで一部の固有のファイルをプリインストールする予定ですがこのインフラの整備にも少し時間がかかりそうです。気長にお待ちいただければ幸いです。 最終的なリリース時期はGnome42の正式公開後を見込んでいます。 最後にAlexandriteOSのlite版ですが開発を一時保留としています。理由は色々ありますがWorkstation版と両方メンテナンスできる自信がなく開発も難航しているからです。いつ再開するかは未定です… AlexandriteOSはさらに実用的で統一感のあるモダンな体験を実現するOSを目指し、進化を続けていきます。今後ともよろしくお願いします。

February 11, 2022 · 1 min · nexryai
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Floorp ブラウザ 8.1.2 リリースのお知らせ

Floorp では安定したリリースと機能更新をできるように、Firefox カーネル に追従しています。8.1.2 では Firefox カーネルと いくつかのバグ修正、機能更新を行います。また、Linux は Flatpak によって、自動で更新されます。 ターミナルに flatpak update と入力すると更新できます。また、8.1.3 からは英語版も正式版として扱われるようになります Windows 12 月 22 日 にアップデート配信 Linux 12 月 20 日 にアップデート配信済みアップデートファイルのダウンロード Windows 日本語 64bit Windows English 64bit 更 新内容 Windows・Linux 共通 ・Firefox カーネルを Windows 版では、Firefox BETA 96.0 に変更。Linux では Firefox 95.02になります。Windows がベータ版になってしまう理由については、こちらの Bugzilla のディスカッションをご覧ください。 ・ブックマークバーのオブジェクトの間隔が狭すぎた問題を修正。 ・コンテキストメニュー(右クリックメニュー)とアプリケーションメニューにアイコンを追加し、視覚的にわかりやすく。 ・アプリケーションメニューから、ヘルプ、Floorp についての場所に Floorp Legacy のアイコン作成者である、かったぁ 様を明記。 ・Windows と Floorp がより通信しないように動作を変更。 ・Mozilla のサーバに Floorp がより情報を送信しないように。 ・Pocket 機能を削除(API から削除しているため、完全に使えなくなりました。) ・ウェブサイトにアクセスした際、通信が http で保護されていない通信だった場合、Floorp がテキストで「保護されていない通信」と警告するように。 ・Floorp がウェブサイトにアクセスした際、ウェブサイト側に「Do not track !」を送信し、ウェブサイト側にユーザが追跡されたくない旨を通知するように変更。 ・その他小さなバグ修正 etc… ...

December 21, 2021 · 1 min · surapunoyousei
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AES(Ablaze Emergency System)始動!

AESできたー!! えっ?AESって何かって? 下のブログにまとめてあるのでぜひ読んでね! https://blog.ablaze.one/769/2021-11-17/ 仕組みはこういう感じ 地震情報を5分おきにチェック 震度6弱以上の地震があったらRealtime Databaseの現在のシステム状況をチェック システム状況がモニタリングの場合はWebhook投函、メール配信を実行 簡単だね!(?) ちなみにキャンセル砲も準備できてます!(もちろんミスって配信するようなことはできる限り避ける) 本当はCloudflare APIもやりたかったけど、忙しいので… (訳:災害用のサイトを作る気力が俺にはもう残ってない) まぁ、そんな感じでそんな感じです(?) んじゃ、ばいのすけ。

December 11, 2021 · 1 min · kr_tukimi