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AlexandriteOS 3.00への要望や既知の不具合などへの対応

Youtubeで紹介されたこともありAlexandriteOSへの要望を多く見かけるようになりました。それに対する現時点で予定している対応などについてお話します。 日本語入力ができない 一部の環境で発生する既知の不具合です。アップデートで修正できます。 https://help.alexandriteos.org/posts/ibus-issue/ 重い Gnomeを使用しているのもあり重いのは仕方ない部分もあります。軽量性とカスタマイズを求める人のため将来的にKDE版もリリース予定です。 LXDE版がほしい 申し訳ありませんが現時点でGnomeとKDE以外をサポートする計画はありません…. 公式のofficeが使いたい 3.10ではOnlyofficeではなくMS Officeのブラウザ版をアプリのようにデスクトップにある程度統合したものを採用する予定です。 イメージを焼いたがUSBメモリがブータブルメディアとして認識されない まずRufusではなく以下の推奨ツールを使用して焼いてみてください。 https://www.balena.io/etcher/ しかしながらそれでも起動できないと一部のユーザーから報告がありました。手元の環境では再現できていません… なにか情報をお持ちの方は教えてくれると助かります。 一部の特殊文字が表示できない 既知のバグです。3.10で修正します。 他に何か要望などがあればお気軽にコメント欄でお問い合わせください。

October 16, 2022 · 1 min · nexryai

AlexandriteOS 不具合修正アップデート提供停止とサポート停止(開発一時凍結)のお知らせ

この度、開発の一時凍結という形で現在リリースされているAlexandriteOS全バージョンへの不具合修正、アップデート提供停止とサポート停止を決定したことをお知らせします。 openSUSE側から提供されるセキュリティアップデートと不具合修正アップデートは今まで通り引き続き受信可能ですが、AlexandriteOS固有の不具合修正、機能追加アップデートは提供されなくなります。 すぐに既存のAlexandriteOSが利用できなくなる訳ではありませんが、早期にopenSUSEやFedoraなど他のディストリビューションへの移行することを推奨します。 経緯としてはメイン開発者がこの度病気により抗がん剤治療を受けることとなり、メンテナンスの継続が困難であるとの判断の結果です。 今までAlexandriteOSに関わってくれた全ての方に心から感謝しています。またFrea Searchメンテナンスの負荷がAlexandriteOSと比べ大幅に低いので積極的に継続されます。

September 20, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOS 3.20 リリースノート

3.10のリリースからあまり経っていませんがAlexandriteOS 3.20をリリースします。 このアップデートには多数の変更が含まれています 削除される機能 安定性やパフォーマンスの問題、または不具合の原因となっている可能性の高い機能を削除しました ・デスクトップアイコン (多数の不具合の原因となっているため) ・パネル右側のCPU使用率アイコン (ユースケースが少なく、パフォーマンスに影響が出るため) デスクトップアイコンに関しては将来的に何らかの代替を用意する予定ですが、Gnomeのデスクトップアイコン関係の拡張機能はもうほとんど残っておらず実装できるかは不明です。 デスクトップアイコンによって引き起こされる不具合が、”デュアルモニター使用時に画面の最前面にコントロールできない透明なウィンドウが全画面で表示されシェルが一切の操作を受け付けなくなることがある” というかなり致命的なものであるため削除に至りました。 もし引き続きデスクトップアイコンを使用したい場合、以下の拡張機能を手動でインストールすれば復元できます。ただしデュアルモニターの環境で使用することは推奨しません。 https://gitlab.com/rastersoft/desktop-icons-ng 変更される機能 ・ダッシュボード(画面下部のパネル)が改善されました。背景が不透明になりアイコンが見やすくなりました。 ・デスクトップの各所に使われているブラー(すりガラス風のエフェクト)の設定が変更され、見やすさと美しさが向上しました。 ・アイコンテーマがGnomeの標準であるAdwaitaに変更されました。 なぜこのような変更を行ったのかは これ が主な理由です。 「Linuxディストリビューションは、ユーザーだけでなく、フリーソフトウェア開発者コミュニティに対する責任を認識している必要があります。」 またGnome42でAdwaita自体がかなり改善されたというのも理由の一つです。 ・一部のプリインストールソフトが削除されました。ユースケースが少ないソフトウェアが主に削除されています。 メンテナンスについて このセクションは完全に余談なので読み飛ばしても問題ありません。 中の人が来年度受験生になるため今後忙しくなります。特に中の人は自称進学校に通っているので尚更です。このプロジェクトに割ける時間も減るのでAlexandriteOSを極力メンテナンスをしやすい設計にする必要があります。Gnomeの拡張機能はメンテナンスの最大の頭痛の種です。Gnomeのメジャーアップデートへの対応の障壁になるからです。拡張機能の数を減らしているのは実はメンテナンスとサポートの負担を減らしたいのも理由の一つだったりします。

August 9, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOS 3.00 の開発記 UI編

AlexandriteOS 3.00を先日リリースしました。見ての通りUIが完全に新しくなっています。このUIがどういう経緯で実装されたのかを紹介したいと思います。 2.00での最大の課題はタスクバーの全ての要素が下に配置されているせいで画面が小さいデバイスだと表示しきれないときがある点と全体的にデスクトップ以外で使いにくいという点でした。 そこで考案されたのがこんなUIです。 このUIは画面の要素の大半を小さくしトップバーに配置しました。 しかしこれは小さすぎます。じゃあ大きさを変えないで上下に分散すればいいじゃんということで次にこんなUIが実装されました。スタートメニューは廃止され検索ボタンを代わりに配置しキーボードで主にアプリケーションを起動させる仕組みに変えました。 どうせならアイコンも新しくしようということで新アイコン(kora-icon-theme)が実装されました。 これはi3wmのようにキーボードでソフトを起動させることを好むユーザーには良いUIですがやはり一般的なスタートメニューの方を使うユーザーの方が圧倒的だろうということでこれにスタートメニューが実装されたのがこのUIです。 キーボードで検索するような人はわざわざマウスで検索ボタンを押さないだろうということで検索ボタンは葬られました。アイコンは様々な問題があったため新しく変更されました。 あらゆるデバイスでの使いやすさの両立をできるように設計されたのが新しいUIです。 右上には古典的なスタートメニューがあります。これはデスクトップユーザーのためのものです。クリックするだけで見慣れたスタートメニューが出てきます。 しかしこれには大きなマウスの移動が伴います。やはりタブレットやラップトップではタッチパッドのジェスチャーで操作するのが最適です。実はデスクトップの何もないところを3本指で上にスクロールすると、アクティビティ画面から全画面のアプリケーションリストが表示されます。これは画面が小さいデバイスに最適化されたリストです。 これで満足しているわけではありません。i3wmのようにキーボード操作のみでアプリケーションを起動することを好むニッチなユーザーがいることを知っているからです。私もその一人です。 幸いこれらの人々のためにGnomeは高度な検索機能を有しています。これを活用しない訳にはいきません。superキーを押すとアクティビティ画面に移動します。任意のキーをタイプして検索を開始できます。例えばキーボードのみで素早くFirefoxを起動させたい場合、superキーを押して"f" “i” “r” “e” と順番にタイプすれば起動できます。 これは慣れると実に快適なのでオススメです。長いリストからの選択や面倒なマウス移動無しでアプリケーションを起動させられます。また計算式を入力することで簡単な計算も行えます。 AlexandriteOS 3.00のUIはMacのパクりのように見えてそうではないとお分かりいただけたでしょうか? なにか感想や要望などあればTwitterやコメントに気軽に投稿してください。

July 29, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOSのビルドシステムを刷新します

こんにちは。AlexandriteOS開発者のnexryaiです。 今日はAlexandriteOSのビルドシステムが刷新されるというお知らせです。 今までAlexandriteOSはbeaverとkiwi-ngと呼ばれるツールを使用してローカルでビルドしていました。 しかしビルド時間短縮などの目的からビルドシステムをopenSUSEのオープンなビルドシステムをベースにした新しい形態へ変更します。以降には若干の時間がかかりますが実現すればAlexandriteOSのメンテナンスにかかる手間が大幅に減り、その上ユーザーによるソースコードの監査もしやすくなります。 なおライセンスに関して曖昧な部分がある可能性があるため現在、AlexandriteOSのGitHubリポジトリの一部を一時的に非公開にしています。新しいビルドシステム上ではこのような問題は発生しませんので新ビルドシステムに移行が完了し次第、新しいシステム上で公開します。

May 19, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOSを使用する際に知っていただきたい点

今回はAlexandriteOSの開発者である私がAlexandriteOSを使用する際に注意していただきたい点をいくつか紹介します。難しいことではないのでご安心ください。 ・定期的にアップデートをお願いします アップデートを行うことでリリース後に見つかった不具合の修正や安定性の向上、追加の新機能が得られます。またセキュリティの観点からもアップデートは非常に重要です。ターミナルから `sudo zypper refresh && sudo zypper dup` と実行することでシステムのアップデートが可能です。また3.00の後期バージョン(マイナーアップデート後のバージョン)以降であればデスクトップのメニューのシステムツールという項目にある「システムアップデート」というエントリーから簡単にシステムとユーザーアプリケーションのアップデートを行えます。 ・アプリはFlatpakから入れることをオススメします openSUSEはパッケージの使用が特殊で言語パッケージを別途インストールしなければ日本語で表示できなかったりすることが多々あります。 Flatpakでインストール、実行されるアプリケーションはコンテナ化されているためこのような問題は起こらず、さらに依存関係で環境を汚す心配もありません。特殊なこだわりがない限りは、セキュリティの観点からもサンドボックス化されているFlatpakの使用を推奨します。 ・root権限は安易に使わないでください これは全てのディストリビューションに言えますがroot権限は非常に強力な権限です。信頼できないプログラムやスクリプトがroot権限を要求した場合、それを無視することを強く推奨します。 ・nvidia社製のGPUの使用は非推奨であり、サポートされません 詳細は ここ をご覧ください。 だいたいこんな感じです。何か質問等あればコメントまでどうぞ。

May 8, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOS 3.10リリースノート

AlexandriteOS 3.10では様々な改善が行われています。 3.00からのアップデートでは適用されない変更 ・FirefoxをFlatpak経由でインストールするように変更 これはFirefoxがアップデート時英語表記に勝手に変更されることがある不具合への対応とセキュリティ強化が理由です。Flatpakソフトウェアはサンドボックス環境で実行されるため万一ブラウザに脆弱性があってもシステムへの被害を抑えられます。もちろん従来どおりzypper経由でfirefoxをインストールすることも可能です。 ・onlyofficeの削除 イメージファイルのサイズの肥大化の原因となること、また公式Officeとの互換性が低い点から削除されました。 ・ノートアプリと天気アプリと二段階認証アプリの追加、時計アプリの削除 ユースケースが少ないgnome-clocksが削除され新たに実用的なnotejotとgnome-weather、Authenticatorが追加されました。 3.00のユーザーにも配布される変更 ・拡張機能のアップデート 複数の拡張機能のアップストリームの更新を反映し、安定性を向上させました。 ・3.00の不具合修正 3.00に存在した複数の不具合を修正しました。ただしまだ調査中で直しきれていない不具合もあります。これらに関しては原因が分かり次第アップデートで修正されます。

May 8, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOS 3.00以降のシステム要件

AlexandriteOS 3.00の正式なシステム要件が決まったのでお知らせします。そもそも何で今まで決めてなかったのかとお叱りを受けそうなので弁解しておくと手元のデバイスのみでシステム要件を決定するのは難しかったからです。今回、複数のユーザーの報告や手元の環境での検証、他のディストリビューションのシステム要件などから総合的に判断しました。 なお「必須」を満たしていない場合、実用的な動作の保証はできません。またこの要件を満たしていても使い方や環境次第では不十分です。逆に満たしていないのにある程度快適に動く場合もあります。PCには非常に多様な構成があるためこれはあくまでも参考程度にしてください。 注意 AlexandriteOSは仮想化ソフトウェアでの動作を正式にはサポートしていません。一部の仮想化ソフトウェアはデフォルトで非常に低い解像度とCPUレンダリングを強制するため画面が正常に描画されない可能性があります。 仮想化ソフトウェアのみで発生する不具合について、AlexandriteOSは原則として対応しません。 仮想化ソフトウェアベンダーに修正を依頼してください。 まともにOSが作動する仮想化ソフトウェアを作成するのは仮想化ソフトウェアベンダーの仕事です。 CPU 必須 これらの条件を満たさない場合、動作が著しく困難になります ・ amd64アーキテクチャの2つ以上の物理コア(HSTによるスレッドは除く)を搭載したAMD、もしくはIntel製プロセッサー 推奨 以下の条件のいずれかを満たしているデバイスで使用することを推奨します ・ AMD FX-9830P 以上の性能を持つAPU ・ デスクトップ向け第2世代Core i5以上の性能を持つプロセッサー + AMD radeon R5-230以上の性能を持つGPU ・ 第3世代以降のモバイル向けCore i5以上の性能を持つプロセッサー RAM 必須 これらの条件を満たさない場合、動作が著しく困難になります ・ 2GB以上の物理メモリー ・ DDR3以上の転送速度を持つメモリー 推奨 以下の条件のいずれかを満たしているデバイスで使用することを推奨します ・ 4GB以上の物理メモリー ・ swap含めて8GB以上のメモリー グラフィックス 実はAlexandriteOSの動作の快適さはGPUにかなり影響されます 必須 これらの条件を満たさない場合、動作が著しく困難になります ・ デスクトップ向けIntel HD 3000、もしくはモバイル向けIntel HD Graphics 4000以上のグラフィックス性能 ・ nvidia社製以外のGPU (性能に関わらず、nvidia製のGPUを使用するとグラフィカルシェルの動作が極めて不安定になります。詳しくは ここ を参照してください。) 推奨 以下の条件のいずれかを満たしているデバイスで使用することを推奨します ・ AMD FX-9830P 以上の描画性能を持つAPU ・ AMD radeon R5-230以上の性能を持つGPU ディスク 必須 これらの条件を満たさない場合、動作が著しく困難になります ...

May 6, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOSのソースコードの構造

この記事では新しくなったAlexandriteOSのソースコードの構造について書こうと思います。 AlexandriteOSのモジュール構成 isoイメージ ↑ ↑ ↑ openSUSEパッケージ ↑ 独自パッケージ ↑ ↑ ↑ ファーストパーティモジュール ↑ サードパーティモジュール isoイメージ: 完成品のイメージファイルです。各種のパッケージから構成されbeaverレシピを使用しビルドされます。 パッケージ: AlexandriteOSの独自のパッケージとopenSUSEのパッケージに分かれます。 openSUSEのパッケージはopenSUSEのリポジトリからそのままインストールするパッケージのことです。大半のソフトウェアはここから提供されます。 独自パッケージはAlexandriteOSのインフラを使用して配信されるAlexandriteOS固有のファイルを含むパッケージのことです。AlexandriteOS独自の機能やAlexandriteOSの不具合に対するアップデートはここから提供されます。 モジュール: AlexandriteOS独自のパッケージはモジュールという単位から成り立ちます。これはエンドユーザーには関係ありませんがビルドの際はこのモジュールという単位を使用します。例えば alexandrite-shell (新名 mriya-shell) というパッケージは以下のモジュールから成り立っています。 https://git.sda1.net/alexandrite-os/mriya-shell なぜわざわざモジュールに分けるのか。これには理由があります。AlexandriteOSは様々なファイルが複雑に依存しあっています。また上流のものに少し手を加えたものが多くこれらを通常の個別のパッケージとして配布すると様々な不具合や誤解の原因になります。そこで一つのパッケージにまとめる必要があるのです。 しかしここで問題が発生します。パッケージを一つにまとめた場合そのパッケージのメンテナンスの手間が大幅に上がります。そこで新たにモジュールという単位を作りリポジトリを分割している訳です。 以上小ネタなのか備忘録なのか開発記なのかよく分からない記事になってしましたが色々工夫があるのだと知っていただければ幸いです。

April 29, 2022 · 1 min · nexryai
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AlexandriteOS 3.00 開発記 Gnome編

AlexandriteOS 3.00開発記の第二弾です。 AlexandriteOSにはGnomeデスクトップが採用されています。安定性や統一感の点で優れているDEでKDEと同じく歴史あるデスクトップです。 2.00での最大の問題の一つは拡張機能でした。デフォルトのGnomeデスクトップはかなりクセが強く正直に言って使いにくいのでAlexandriteOSでは幾つかのGnome拡張機能に多少の変更を加えたものをプリインストールし標準で適用しています。 しかし本来拡張機能はGnomeやopenSUSEから見ればあくまでもハックであり正式なものではありません。これを安定してデスクトップとして提供するためにAlexandriteOS 3.00では追加の工夫をしています。 AlexandriteOSの開発者は、Gnome拡張機能がたまに起動時に無効になることがあるという不具合にかなりの間悩まされ続けていました。 AlexandriteOS 3.00ではログイン毎にGnome拡張機能を有効にするというコマンドを実行することでこれを可能な限り回避しています。なんとも原始的に聞こえますがコマンド実行の負荷は少なく確実な解決策です。 これで安心していましたがGnome42がリリースされ新たな機能が実装されました。それは拡張機能が一つでもクラッシュすると次の再開時に全ての拡張機能が無効になるという機能です。 https://github.com/home-sweet-gnome/dash-to-panel/issues/1581#issuecomment-1088263998 安定性の観点からは素晴らしい実装ですが拡張機能に依存しているユーザーからすれば迷惑でもあります。幸い、先程の回避策はこれもバイパスしてくれます。 一見全てが収まったように見えますが、大問題が発生することに気づきました。これを適用したことでログインループが発生する可能性が高いことです。具体的にはユーザーがシェルをクラッシュさせる不具合を持った拡張機能をインストールした場合、次のようなことが起こります。 不具合を持った、もしくはAlexandriteOSでプリインストールされている拡張機能と競合する拡張機能をインストールします。 有効にした途端、シェルがクラッシュしたと仮定します。(これは普通発生しないように見えますが、競合する拡張機能をインストールした場合、もしくはgnome自体にバグがある場合に発生しやすいことです) シェルが異常終了し、ログイン画面に戻されます。 ユーザーが再度ログインすると、gnome-shellは拡張機能を無効にして再開しようとします。 しかし先程適用した回避策が拡張機能を有効にしてしまいます。 再び途端にシェルがクラッシュします このループに陥った場合、残念ながらGUIのみでシステムを回復することは不可能です。上級ユーザーであればコマンドラインモードからdconfの設定値を書き換え修復できますが、これにはそれなりの技術が必要ですし正直に言って面倒です。 さらに悪いことにこれはセキュリティ上の欠陥でもあります。だれでも有効化した途端にシェルをクラッシュさせる拡張機能をインストールさせれば自動的にGUIを利用不可能な状態にすることができるからです。 拡張機能をインストールする際、ブラウザからインストールすれば確認ダイアログが出ますがそれ以外の場合は出ません。裏でファイルをコピーしコマンドを一つ実行するだけで拡張機能は通知なしに有効になります。 さらに Gnomeの拡張機能では驚くべきことに署名どころかハッシュでのチャックですらされません。 つまり既にインストールされた拡張機能の中身を差し替えるだけでこの攻撃が成り立ちます。(正直に言って、かなりの権限を持つデスクトップの拡張機能に対してこの甘さは改善すべきというかあり得ないと思っています。) gnome-extensionをプリインストールソフトから消すことになった理由は実はこの2つです。消したと言ってもコマンド一つでインストールできることには変わりません。 そもそも言ってしまうと拡張機能を標準で使用しているディストリビューションは多くても、gnome-extensionをプリインストールしているディストリビューションは少ないのでなんとも言えませんが標準状態でのカスタマイズ性が大きく低下する変更であることには変わりないのでそれなりに悩みました。 しかしログインループは致命的な問題ですしセキュリティ上のリスクも大きくなります。あくまでも拡張機能は非公式の機能でありリスクを伴い自己責任であるということを強調するという意味も含めて廃止しました。 もちろん、安定した信頼できる拡張機能はユーザーに大きな利益をもたらします。しかしくれぐれもコマンドラインから修復できる自信がない限り、無闇に競合する拡張機能や不安定な拡張機能をインストールしないようにしてください。

April 7, 2022 · 1 min · nexryai